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「恋」に落ちる瞬間のように。


昨日京都へ行ってきた。
行ってみたかった本屋さんと、娘の行きたがっていたお店が京都だったから。

その本屋さんは面白かった。
そこで見つけた本。

芝生の復讐 (新潮文庫 フ 20-3)芝生の復讐 (新潮文庫 フ 20-3)
(2008/03/28)
リチャード・ブローティガン

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リチャード・ブローティガンは前にも書いたけれど、とても好きで。
それよりもなによりも、この文庫の表紙はとても素敵だった。
(他のはいつももったいなかった、と思っていた)
薄暗く、静かで、ほのくすんだ黄色のお店の中で
積み上げられていたこの本。
もう手にとっていた。


素敵な表紙の本はいい、と思う。
好きな作家さんの本でも、読んでみたいなぁと思った本でも
表紙があまり好きでなければ、半減してしまうこともある。
とても残念。読むと好きになる場合もあるし、色々だけれども。

だからなお更、ときめく「表紙」に出逢えた時の
瞬間喜びや胸の高鳴りは、とてもうれしい。


好きな表紙の本はたくさんある。



静かな。その薄い膜があるような表紙。
ホッパーは、この本たちの表紙が出逢いで、画集を買った。

泳ぐのに、安全でも適切でもありません (集英社文庫)泳ぐのに、安全でも適切でもありません (集英社文庫)
(2005/02)
江國 香織

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最後の瞬間のすごく大きな変化 (文春文庫)最後の瞬間のすごく大きな変化 (文春文庫)
(2005/07/08)
グレイス・ペイリー

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それだけで素敵で、表紙も文章も大好きなもの。

サイダーハウス・ルール〈上〉 (文春文庫)サイダーハウス・ルール〈上〉 (文春文庫)
(1996/07)
ジョン アーヴィング

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サイダーハウス・ルール〈下〉 (文春文庫)サイダーハウス・ルール〈下〉 (文春文庫)
(1996/07)
ジョン アーヴィング

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雪屋のロッスさん (ダ・ヴィンチブックス)雪屋のロッスさん (ダ・ヴィンチブックス)
(2006/02)
いしい しんじ

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その手触りでさえ、心を静かにしてくれるもの。

神の子どもたちはみな踊る神の子どもたちはみな踊る
(2000/02)
村上 春樹

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「真鶴」は白いカバーも、それを取った時の本自体も美しい。

真鶴真鶴
(2006/10)
川上 弘美

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もっとたくさんあるのだけれど、本棚の整理をしなくては、、、と痛感(笑)。

「装丁」という言葉よりも、「表紙」という言葉が好きで。
その「表紙」と中身がぴったりと自分の中でした時に
もっと特別なものになる。

そういう瞬間に、もっともっと出逢えたら、と思うから
昨日のような瞬間は「恋」に落ちたようになる。

あぁ、本屋さんへ行くのは止められません。


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本。 | コメント(3) | トラックバック(0)2008/08/17(日)19:05

誰もいない冬の公園。


江國香織の小説をよく読む。


好き、というのとは違うのだけれど。


それでも見つけると、「あっ。」、と思って手に取ってしまう。



あの静かな、孤独で、親密な狂気は、心を不安にさせられる。


高い場所に上がり、そのぎりぎり先で、下を覗き込んでいるような感覚。


どんな小説であれ。




「神様のボート」もそうだった。「スイートリトルライズ」。


「薔薇の木 枇杷の木 檸檬の木」。「思うわずらうことなく 愉しく生きよ」。


「ウエハースの椅子」も。そして「東京タワー」。



弱く、そして強くたおやかな小説の中の人たち。


その中の何かが壊れていく。静かに。


その壊れたものの中で、なにかが揺れ動いていく。


確信であったり、成長であったり、決別であったり。


言葉ではないなにかがそう感じさせる。



私は、そうは生きられないと何度も感じる。


そしてあの心細いような不安な気持ちは、けして安心させてはくれない。


しらないその場所に、置き去りにされてしまう。


そこから、元の場所に戻るには、時間がかかる。


戻れた時は、本当にほっとする。


足が地面を摑んでいることが。



だけれども、またその場所へ行ってみたくなる。


そうは生きられないのだろうか?、と確認しにいく。



江國さんからこぼれる、あのたくさんの綺麗で繊細な言葉たちが、


透き通るようにが綺麗であればあるほど、冷たく落ち振ってくる。


そして、薄日が射す冬の夕方の誰もいない公園のようなその場所が、


自分をどこかでまっているような気さえしてしまう。


 


本。 | コメント(0) | トラックバック(0)2006/11/30(木)01:03

遠くへ。


村上さんの新しい翻訳が出た。


「グレート・ギャツビー」。フィッツジェラルド。



昔、村上さんが好きだというので野崎さんの訳のものを何回か読んだ。


しっくりこないところと、震えるところとの繰り返しで


気持ちが落ち着かない本だった。


昔、いつか、村上さんの訳で読んでみたい、と話していた。



今日、出張先でその本を見かけて、慌てた。


出るのは知っていたけど、もう出てる、とは知らなかった。


そのまま買って、仕事中もどきどきしてた。


帰りの新幹線で一気に読もうと思っていたのだけれど、


でも、いつものようにさらさらと読めない。


ストーリーを知っているのに。


いつもなら途中で気になって読んでしまう、村上さんのあとがきもまだ読めないほど。


それくらい本の中の遠くへ飛んでいってしまう。



少しづつ、何かを確かめるように読んでしまう。


遠まわしで包み隠されたな言葉たちに、


華やかで冷たく煌びやかな会話たちに、


目の前に浮かぶ鮮やかな風景たちに、


惑わされないように、自分に言い聞かせながら。


いつもより少しずつ。ゆっくりと、と。



驚いたのは、自分たちや色んなことを重ねて読めるようになっていた。


前にはなった感覚だった。昔の小説を読んでいる感覚はなくて。


とても不思議で辛く切ない。


きっと、私も変わったのだろうと思う。


それとも、村上さんの訳のせいかもしれない。


両方かもしれない。


読み終わったとき、どう思うのかまだわからないけれど。



村上さんの「グレート・ギャツビー」。


こんなに早く読めるとは思ってなかった。


今、の自分で読めたことが、よかったのかどうか。


しばらく、遠くへいってしまいそうだと思う。










グレート・ギャツビー グレート・ギャツビー
村上 春樹、村上春樹 他 (2006/11)
中央公論新社

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本。 | コメント(0) | トラックバック(0)2006/11/14(火)00:36

深い夜の青の表紙。

本の内容より、その本を買った時のことを良く覚えている、という本がある。


最近その本の文庫が出て、本屋さんでよく見かける。


 


そのタイトルを見るだけで、震えるような気持ちになる。


カバーの深い色を見るだけで、体が硬くなるような感じがする。


たとえば、「ノルウェイの森」のように


簡単に読み返すことができない本、というのではなくて。


その本を買った時の時間や空気や気持ちが、


今日のことのように、でも夢のように、


目の前に、鮮やかに、すうっと浮かび上がるのが胸に痛くて。


深呼吸したくなる。大きく息を吸って、息をはきたくなる。


そのことが、ただそれだけで、その本を手に取れないのだけれど。



あの本を買った秋の日は、ちょうど今ごろだった。


匂いや、本屋さんのざわめきまで憶えてる。


あれから時間は経ったけれど、どこかに残っているものは消えない。



ただ、そういう気がするだけなのかもしれないけれど。




本。 | コメント(1) | トラックバック(0)2006/10/03(火)02:51

そんな夜。

今日はとてもきもちのよい土曜日で、


月がきれいに見えてる。


夕方から読んでいた中原中也の詩集。


私は、とても有名だけれども、色々読み返してみても、


やはりこの2つ詩が好きで。


一つは「湖上」。もう一つはこの「月夜の浜辺」。



月夜の浜辺


月夜の晩に ボタンが一つ
波打際に 落ちていた。

それを拾って、役立てようと
僕は思ったわけでもないが
なぜだかそれを捨てるに忍びず
僕はそれを、袂に入れた。

月夜の晩に、ボタンが一つ
波打際に、落ちていた。

それを拾って、役立てようと
僕は思ったわけでもないが
    月に向かってそれは抛れず
    浪に向かってそれは抛れず
僕はそれを、袂に入れた。

月夜の晩に、拾ったボタンは
指先に沁み、心に沁みた。

月夜の晩に、拾ったボタンは
どうしてそれが、捨てられようか?



どちらを書こうかまよったけれど


今夜は「月夜の浜辺」がそばだった。


書きながら、読みながら、


そうだよね。と、一人で納得する。


そうだよね、それでいいんだよね。と、安心した。



中原中也詩集 / 中原 中也


 


本。 | コメント(4) | トラックバック(0)2006/09/03(日)00:26

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